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第三の大国 インドの思考

笠井 亮平著 文藝春秋


 14億人という人口を原動力に、GDPではイギリスやフランスを抜いて世界5位に浮上してきたインド。今後は日本、ドイツを抜き世界3位の経済大国になることが確実視されています。軍事費の伸びも著しく、アメリカ、中国に続く第3位になっています。こうした国力の急伸長を背景に、世界の舞台でインドの影響力は日に日に高まりつつあります。


 しかしインドという国は私たちにとってわかりにくい国でもあります。外交、安全保障面では「クワッド」の一員として西側諸国との関係強化が進む中でも、国連安全保障理事会でのウクライナ侵攻をめぐるロシア非難決議案に対しては棄権票を投じました。中国との関係も「反中か親中か」という二元論では簡単に割り切れない複雑さを抱えています。気候変動問題では先進国とは一線を画し、途上国の立場からの主張を展開しています。核保有国ではありますが核不拡散条約は、五大国のみに核保有を認める不平等なものとして加わっていません。


 世界が混沌とした多極化に向かう中でインドは、何を目指しどのような思考とアプローチでほかの国々と渡り合おうとしているのか。本書はユーラシアとインド太平洋を俯瞰するとともに、南アジアとインド洋を中心とした動きを分析することで、新たな「グレート・ゲーム」の諸相を描き出しています。

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