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安いニッポン 「価格」が示す停滞


中藤 玲著 日経プレミアシリーズ


 メディアで「インバウン丼」と紹介されて話題になった1杯1万5000円の海鮮丼ぶり。神戸牛を使った1本1万2000円の牛ステーキ串。日本人の私たちにとって法外に思える値付けですが、日本を訪れた外国人観光客にとっては円安の影響もあり「安い」感じるそうです。世界から見ると「安いニッポン」が、日本人にとってはそこまで安くないという現実。本書は取材を通じて「安いニッポン」を考察し、企業は、個人はいったい何をすべきなのかを探っていきます。


 「安いニッポン」の例として取り上げられる北海道ニセコ。世界のスノーリゾートと比べても非常に安く、外資マネーが舞い込む一方で物価高騰、地価高騰のせいでとても住めないと出ていく地域住民がいます。おまけにニセコの不動産購入者の多くは海外で暮らすため、物件の運用で儲けたお金は町内で使われません。通年で見ると、町に入るお金よりも町外の人が手に入れるお金の方が多いという現実があります。近年では長野県白馬村や沖縄県宮古島などが「ニセコ化」してきたと言われているそうです。


“日本の安さはいずれ日本の成長力を根本的にそぐような大きな問題として日本に返ってくることになる”


 「日本の常識」は世界の常識ではないという現実に私たちは今後どのように対処していくべきか、考えざるを得ません。

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