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プロの思考整理術


プロの思考整理術 和仁 達也著 かんき出版


 「話を聞いてもらっただけで心の中のモヤモヤがすっきりした」「特にアドバイスをもらったわけではないけれど自然と問題が解決に向かった」「また話を聞いてもらいたい」。世にいう聞き上手な人の特徴です。


 経営コンサルタントとして20年以上に渡りトップを走り続ける著者による本書のテーマは「アドバイスをせずにいかに問題解決に導くか」。前提にあるのは「人は基本的にアドバイスされるのが好きではない」ということ。


 “僕は大勢の人から悩み相談を受けてたどり着いた答えは、「悩みの答えは、相手の中にある。しかし、それは本人には見えない盲点に隠れている」という真実です。”


 生きていれば様々な悩みを抱えるものですが、その中でも特に多いのは人間関係の問題ではないでしょうか。家族、友人、知人、同僚、上司、部下など、関わる周囲の人とのコミュニケーション不全です。タイトルは「プロの思考整理術」とありますが、コミュニケーションで悩むすべての人に役立つノウハウが書かれています。特に日々、組織づくりに悩む経営者の方にとっては「成果を出すための場づくり」という観点から読んでいただくと非常に役立つのではないでしょうか。


 本書で紹介する思考整理の目的は相手が自分で答えを見つけ、自分で行動に移せるようになること。人は、他人から言われたことは素直に受け止められなくても、自分で決めたことには素直に従います。そのためにするのは相手の状況(事実)を整理し、感情を整えること。著者はコンサルティングの現場で長年磨いてきたコーチングスキルをわかりやすく4ステップに集約しています。


 その4ステップとは、①タイトルを決める、②現状を知る、③理想を描く、④理想に近づくための条件を探す、です。「えっ、それだけ?」と拍子抜けするかもしれませんが、実際に試してみるとなかなかスムーズに事が運ばないことに気づきます。


 “人は誰でも「思考のクセ」があります。その思考のクセがネガティブで、たとえば、常にできない理由を思いつきやすい人は、頭の中で思考が堂々めぐりして、疲れがちです。そういう心のコリをほぐすための心のマッサージが、思考整理です。”


 “4つのステップは1回巡って終わりではなく、相手がすっきりするまで何回もグルグル回ることもあります。その結果、会話のスタート地点では思いもしなかったところに到達することもある。それが思考整理の面白さです。”


 思考整理がなかなか進まないときには、整理が一気に進む「着眼点」、相手に気づきを与える「事例ストーリー」、視覚に訴える「図解」といった3つのアプローチが役立ちます。


 多くの支持を集めるトップコンサルタントは常に相手起点です。

 

“自分で「あなたの問題はこれで解決します!」とアタックを打ってしまったら、相手は表面では「それをやってみます」と従うかもしれませんが、内心は面白くないでしょう。そうなって気持ちいいのは自分であり、相手ではありません。”

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